野党混迷招いた責任は 小池氏の希望代表辞任



 始まりも、終わりも、突然だった。小池百合子東京都知事が希望の党代表を辞任した。衆院選の惨敗から続く混乱の中、ようやく国会議員を率いる共同代表が選ばれ、新執行部が始動する矢先の投げ出しだった。

 「政権交代」への期待感や警戒感が永田町を駆け巡る始まりだった。「日本をリセットする」。安倍晋三首相が衆院解散を表明する数時間前、小池氏は側近にさえ直前まで知らせぬサプライズ劇で結党を宣言。野党第1党だった民進党を巻き込み、情報公開の徹底や国政の透明化を訴える歯切れのいい言葉で「反政権」の表舞台に立った。

 だが、致命的だったのは民進党出身者を選別する「排除」発言。「全員を受け入れる気はさらさらない」。「寛容な改革保守」を掲げる一方で口にした「排除の論理」。都知事選以来、有権者の支持を集めた「男社会の古い政治に立ち向かう女性」というイメージは、「独裁者のような印象」(党関係者)に変わった。加えて首相候補を掲げず、自身の出馬も否定。「自己矛盾」ばかりが目立つ展開になっていった。

 安倍政権への批判票の受け皿を目指したはずが、ふたを開ければ衆院選は自民党の圧勝。民進党は3分裂し、野党は票を食い合った。「私自身におごり、慢心があった」。出張先のパリで敗北宣言した時点で、政治的には代表の資格を事実上、失っていた。

 14日の両院議員総会。小池氏の代表辞任は異論なく承認されたが、小池氏が掲げた旗に集った結党メンバーの一人は「寝耳に水。頭を整理できていない」。表舞台からの退場もまた、唐突だった。さらに、その場で玉木雄一郎共同代表を後任代表に推挙して承認を取り付けた手法に、党内からは「ブラックボックスだ」「透明性を欠く」と、小池氏がよく使うフレーズで批判が上がった。

 「排除の論理」が尾を引き、共同代表選では路線対立が顕在化。党内は分裂の懸念を抱えたままだ。「一枚看板」を失った党内で混乱が続くのは必至だ。野党の分裂を招き、「安倍1強」の対抗軸を消滅させた責任は厳しく問われるべきだ。

=2017/11/15付 西日本新聞朝刊=

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