鎌倉市が直面する公共施設の更新問題~公共施設のあるべき姿とは(政治山)



 私は、公共施設の再編(公共施設マネジメント)という、これまで自治体が業務として行ってくることのなかった「公共施設の更新問題」に取り組む業務にたずさわっています。整備してきた公共施設を再編し、将来にあるべき姿、最適な状態を探し、実現させようとする業務です。私が2015年度に参加した早稲田大学マニフェスト研究所人材マネジメント部会でも同じように、この時代に求められる市役所・公務員のあるべき姿を探してきました。

公共施設の再編(公共施設マネジメント)について

 長い間自治体は、メンテナンスフリー、スクラップ&ビルドといった考え方をもって、整備した公共施設に対してこまめに手をかけず、古くなれば建て替えるという管理を往々にして行ってきました。更には、高度経済成長期、人口増加への対応として、どうしても必要となる学校施設等だけでなく、住民要望や他の自治体が整備しているからといった理由のもとに、公民館やさらに大きなホール、美術館・博物館などの公共施設を整備してきた自治体も数多くあると思います。

 鎌倉市も同様に、昭和30年代から40年代を中心に、多くの公共施設を整備してきました。これらの公共施設(ハコモノ)は、一斉に老朽化するとともに、法律の改正等による耐震化や防災への対応、社会の変化等によるバリアフリー化や情報化への対応に迫られるなど、様々な課題を抱え、建替えや大規模改修といった更新時期を次々に迎えています。一方で、少子高齢化・人口減少社会で、扶助費の増加による財政硬直化が進んでいるほか、保育園や学童など、ニーズが高まっている施設もある状況です。

 整備してきた時代と同じように、住民が求める施設を新たに整備する、古くなった施設は建て替えるということができるならば、話は簡単であり、私の業務も不必要でしょう。

 鎌倉市が策定した公共施設再編計画で更新にかかるコストを試算した結果、40年間の計画期間内に新たな施設を増やさず、保有する公共施設を更新するだけでも、現状で公共施設にかけることができている費用の約2.8倍のコストを要すると算出しました。

 とても用意できそうにないコスト、少子高齢化・人口減少社会への突入による扶助費の支出増といった状況が見込まれる中で場当たり的に公共施設を維持することは、必要な更新が行えないことに起因する公共施設における事故が防げない可能性があり、必要な更新を先送りすることで将来への“つけ”を残すことになりかねません。

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