現職区議が考える!理想の政治塾のスタイルとは? — 吉岡 慶太



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都民ファーストの会ツイッターより引用:編集部

東京都北区議会議員(無所属無会派)の吉岡けいたです!

近年の政界では、政治塾の存在が脚光を浴びている。私自身も政治家になる前の2012年の維新政治塾に始まり、みんなの政治塾、希望の塾、輝照塾(若狭まさる塾)と軒並み、政治塾で学んできた一人です。その私がこれまでの経験を踏まえ、政治塾の功罪をお伝えします。同時に、究極的な理想カリキュラムも併せて提示致します。

現状、政治塾はブームがあり、熱しては冷める事があります。維新政治塾、希望の塾は第1期について期待とワクワク感があり、これから社会を変えていく高揚感が感じられました。両方とも1期は全国規模で塾生が集まりましたが、熱気が冷めると継続して入塾する人は激減しています。

自民党政経塾はブームとかでなく、継続して12期続いています。卒業生の中に現職市区議、国会議員も多数いますが、改革的な目立つ活動をされている方が見えにくいのは、変革より安定を求める党の体質があるのでしょうか?それとも、議会の規律を守るよう規制が厳しいのか。

知識は身につくものの長期的ビジョンが欠落

政治塾の課題と感じる事は以下の通りです。

1.講義とグループに分かれての討論という形式が多い。

講義は各界の名士、専門家、実績のある議員の話。討論は各グループで政策論争。この形だと、政治の世界、議員の仕事、社会の仕組みについて一定の知識と教養は身に付きます。しかし、政策テーマは多数あり、一部の知識がところどころ入る数回の講義受講では中途半端な教養講座受講と感じることも生まれます。加えて、無理やり班別けして、テーマごとに討論を行っても、大概何もまとまらず、「形としてやりました」感が残る感じ。受講生が多ければ、討論や受講感想文の内容評価もほとんど正確にされることは難しい。

2.塾開催の目的について開催者(塾長)が関係する政治組織の人材集めとなるケースが多い

希望の塾は最初、政党を超え、社会の仕組みを変える人材を集めるという触れ込みでした。
しかし、途中から都議選考コースが始まり、2期からは塾生党員生になり、結局は政党党員集め、候補者擁立につながっています。このスタイルだと、政治家でない若手、選挙に当選が見込めるキャリアやルックスを持った人、学歴が高い人、著名人などが優遇される事が生まれ、政治塾といいながらタレント養成講座的な運営がされる可能性があります。

3.長期的な人材育成のビジョンが無い

政治の世界で塾主催者や組織が、支持率低下、問題などが起き自身の立場が弱くなると、連動して塾の休講、閉校が簡単に行われます。また、選挙スケジュールに合わせて塾開催のスケジュール変更がされるため、塾生は選挙の駒扱いと感じる事が生じます。

政策データを叩き込め。理想の政治塾とは?

上記の課題を考えて、理想の政治塾を考えてみました。

1.  講義+討論というスタイルを辞めます。

塾生ファーストとし、塾生が学びたい事、希望するスタイルを塾開校前にアンケートでニーズ調査を行います。何について学びたいか、何について知りたいか、何をしたいか、何を身に着けたいか。全塾生の希望回答について全アンケート内訳を初回講義で公開する事こそ、「塾生ファースト」「情報公開」を身をもって実現できる仕組です。

2.  聞きたくないテーマを90分聞かされる事こそ、眠くて怠惰をわき起こす。

少なくとも多くのニーズがあるテーマについて、各テーマごとに政治や議会の専門家が判りやすく解説、説明をしていくことで、最短の時間で最高の知識が得られる政治塾となります。

3.  また関心ある政治のテーマを別けて、データを徹底的に叩き込むことが政治に強くなります。

「国の財政」「地方の財政」「生活保護」「環境問題」「ペット問題」「女性比率」「無電柱化にかかるコストと電信柱維持をした場合のコスト比」「防衛関係」「日米安全保障が無くなった場合に平和を維持するために必要なコスト」等。とにかく、徹底してデータ、数字を学びます。詳しい経緯や歴史、実情、課題点など広すぎる国家政策別に学べば、数年かかります。政治家に即必要な知識は、あらゆる分野の数字とデータです。これを徹底して叩き込まれる事こそ、最小の時間で最大の効率性ある効果が得られます。

4.  塾主催は特定の政党党首、代表でなく、人材育成に理解がある政治的に中立の機関が行うスタイルが望ましいです。

選挙の都合でカリキュラムが乱されず、政治の都合で塾の運営が影響されない事。これこ
そ理想の政治塾です。

よって、一般市民だけでなく、現職の地方議員の塾参加を見込みます。現職議員コースを設け、基本、地方議会の議員は自己研鑽のために政治塾に行くことが当たり前という社会になるべきです。自己研鑽の研修、講座は議員向けに多数ありますが、政治塾形式は存在しません。塾で学ぶだけでなく、法律と財政、福祉やまちづくり、議会改革などテーマごとに受講し、卒業試験を受け、その点数を情報公開すべきです。塾に通い、一定の点数を得た議員に対して「議員検定ランク」による評価を塾主催者が公的に認証する仕組みは良いかと。

こうした自己研鑽に政務活動費を使い、一定の成績を収める事ができる地方議員を、その実績により選挙で有権者から判断される仕組みに寄与できれば政治塾として機能する話です。

5.  最後に、知識詰込みだけでなく、実践についても学べる塾が欲しいものです。

選挙や地域活動、地域団体との関係、行政との交渉の仕方などのケーススタディがあると魅力的です。また、すべて講義ではなく、現場に行き視察や体験、経験できる塾に。署名集め、アンケート依頼、地元町会へのイベント参加など、まさにフィールドワークを重ねることで即戦力に近い知見が身につけられるでしょう。

野田聖子総務相が女性を対象にした政治塾を立ち上げると報道がありました。女性視点による社会の仕組みを見直す行動も良いと思います。また昨日(14日)は、音喜多駿都議が政治塾をつくるというニュースも飛び込んできました。しかし、問題はスタイルです。本当にバランスよく社会の仕組みを変える人材を育てる事ができる仕組みは、現職政治家や政党でなく、政治塾専門の機関がリードをとって欲しいものです。

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吉岡 慶太  東京都北区議会議員  アゴラ出版道場3期生
区職員(23年間、生活保護ケースワーカー10年他)を経て、2015年から現職(1期目)




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